鍼灸院くらさろ跡地

次がんばるぞー


長期連載になってほしい『リエゾンーこどものこころ診療所』

医療ドラマの隠れた見どころはエンドロールの医療機関名だと思ってます。

 

白い巨塔や救命病棟24時、コードブルーなどの制作協力に名を連ねている医療機関を見ていると、製作スタッフがどれほど取材に時間をかけて医療を学んだのか、そのうえでフィクションを盛り込み感動や緊迫感を演出するか。

ドラマ作る大変さが伺えます。

医療分野の話ってお金も時間も労力もハンパなくかかってますよね。

 

先日、児童精神科医を描いた漫画がツイッターで少し物議をかもしていました。

 

リエゾンーこどものこころ診療所 

  • 潔癖症とみられる子どもを無理やり便器に触らせる暴露療法。
  • ドジな主人公を検査もなしに発達障害と診断する。

 

特に「泣き叫ぶ子どもを抑えつけて便器に手を付けさせる」という描写は医療を扱う上では不適切でした。本来の暴露療法は自分の意志と覚悟によって汚物に触るものです。 

 

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ただ、間違った暴露療法の描写は確かに問題なのですが、漫画家の知識不足からくる不備に対して正論攻撃が過ぎると連載中止になってしまうのではと心配になりました。

 

というのも正確な情報を表現するには漫画家に入念な取材が必要で、さらに完成した原稿にチェックを入れてもらう必要もあり、作家に莫大なお金と時間がかかってしまいます。

 

しかも小児科の医師不足と激務が社会問題化するほど忙しいので、医師にわざわざ時間を割いて協力してもらうのも大変。

 

そんな事情からか児童の心身や虐待について描かれた漫画は少なく、僕が知っている漫画は「凍り付いた瞳」しかありません。

 

医療や健康に関するジャンルの漫画がもっと増えて、知識の入り口が広くなってくれたらいいなと思う反面、多くの人が危惧していた「暴露療法」と称する嫌がらせやしつけが発生する可能性も十分にありうるので「間違っていても良いから増えて欲しい」とも言えないあたりが難しい💦

 

「間違ってはいけない」「誤解を生む表現には細心の注意を」というのも分かりますし、実害が出てしまうと大変なことになることも予想できますが、作家への個人攻撃に近い指摘になってしまうと、この分野を描こうという作家が増えず、情報に触れる最初の一歩が得られないために「知識を持つ機会を持てなくて苦労する人」が増えるのではないでしょうか。

 

良い解決策が見つかって漫画家さんが気持ちよく描ける環境になったらいいなと願う作品でした。  


凍りついた瞳 2020 虐待死をゼロにするための6つの考察と3つの物語
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