東洋医学の入口『陰陽』
東洋医学は『医学』という学問である前に、思想哲学のようなものが根底にあり、さらに道教や儒教の影響も混ざって、なんとなく形づくられた学問です。
根底にあるのは『道』
道というのは道理とか法則のようなものです。 太極図というのをご存知でしょうか。韓国国旗の中にある丸い部分を白黒にしたようなものです。(ちなみに国旗にある残りの黒線部分は易占いの結果に出てくる八卦です)
白い部分が陽、黒い部分が陰
陰の気は重いので下にゆくのですが、陰の中に陽が含まれます。(下のちっちゃい白丸のことです)
一方で陽の気は上昇するのですが、やはり陽の中に陰が含まれます(上のちっちゃい黒丸)
このように、陰と陽の気がぐるぐる上行ったり下行ったり常に変わるのですが、その流れの中にあっても、陰中の陽、陽中の陰があるのです。
ここが、絶対的な正義や唯一神のいる西洋の宗教や思想哲学との大きな違いですね。
東洋医学はこの考えが根底にあるので、治療方法もまた「気の流れを整える」ということを重視して、気が多すぎるところ(実証)を削り、気が少ないところ(虚証)を補い、気が淀んでいるところは流すようにして、逆に流れが速いところを落ち着かせるのです。
気の流れの調節方法
気の流れの調節は、治療者のイメージであったり、刺激の強さでなされます。
治療家のイメージ
『気』に自他の区別はありません。だから治療家が自分の気を指先から患者様の体に流れるイメージで治療を施す。こうして治療家の気を患者様に流すのです。
刺激の強さ
強い刺激は気を削り、弱い刺激は気を補います。ですから気が滞っている(邪気が溜まっている)ところは強い刺激で気を散らせたり流したりします。一方で気が足りないときは、弱い刺激でやさしく治療をして、気が溜まってゆくような手法をとります。
東洋医学という治療法は気の流れを整えることを重視しています。
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