「六淫の邪」という東洋医学用語
先生、体が熱いんです。全身が火照って、どうか治療してください」
「よろしい、この病は六淫の邪のひとつ、熱が入ったものだ。針をしてやろう」
「先生の針おっきい・・・なんか怖い」
まぁいいや
六淫(ろくいん・りくいん)という邪気
六淫は、季節や天候、環境による邪気のことで、代表的な病に「熱中症、おなかが冷えたときの腹痛、湿度が低いときに咳が出る」などがあります。
- 風邪:季節は春の邪気、体のあちこちに症状が出る上に、他の邪気を伴う
- 寒邪:季節は冬の邪気、病は冷える、固まる
- 湿邪:季節は梅雨時の邪気、体が重だるく、どんよりする
- 熱邪:火邪とも言う。腫れる、けいれんする、イライラする
- 暑邪:季節は夏の邪気、のぼせる、だるくなるなど熱中症のような症状になる
- 燥邪:季節は秋の邪気、乾燥肌、のどのイガイガなど。
暑邪+風邪=熱邪かな?とは思うのですが、いまいちこのへんの違いはよく分かってません(汗)このへんの解釈は流派とか専門家によって話しが違うようです。
六淫を考慮した治療方法
天気痛(気象痛)という体調不良が代表的なもので、例えば雨が降る直前のどんよりした日は膝が痛む。なんていうときには湿邪の治療をしたり、冬の肩こり腰痛には寒邪の治療をします。
東洋医学はイメージを使った治療でもあるので、寒邪や湿邪なら火を入れるお灸、暑邪は針でスッキリさせる、風邪は軽い手技で手早く全体的に治療する。みたいな治療をしてゆきます。
もちろん、鍼灸師によって病気に対するイメージが違ってくるので、このへんで治療方法が全く違うものになります。これが鍼灸師の腕というか個性というか相性といいますか・・・そんなところです。
淫という字を悪用した日本人の罪は重い