鍼灸院くらさろ跡地

次がんばるぞー


東洋医学はプラセボを体系づけて組み込んでいる。

何の効果も無い粉を薬だと偽って病人に飲ませても、病人は「薬を飲んだから治る」と思い込み本当に元気になってしまう。

これをプラセボ(プラシーボ)効果と言います。

『病気で悩んでいる人に効果の無い物を売りつける』という点でネガティブな印象を受けるプラセボですが、症状や痛みに悩まされる人にとって『作用機序が科学的かどうか』よりも症状から解放されることの方が重要ではないでしょうか。

科学的な治療法というのは当然大事です。大勢の治験を経て薬理効果の確認された薬や緻密な機器を使った手術は絶対に必要な医療です。

しかし『針や灸という簡素な治療器具で経絡に流れる気を整える』という不思議な治療によって「病院で治らなかった症状が針灸で治った」という言葉をいただく以上、科学的な治療以外の部分で症状の回復に大きな役割を果たすものがあり、そのひとつとしてプラセボは重要な治療技術のひとつであると考えています。

 東洋医学に組み込まれたプラセボ『内因・七情』

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内因というのは心の状態のことを指し、七情(しちじょう)は「怒・喜・思・憂・悲・恐・驚」という7種類の感情を指します。

ちなみに「思」は「悩む」に近く「とりとめもなく思い続けてしまう」という停滞した思考を指します。

「喜」以外はネガティブな感情ですが、これを全てストレスという一言で片づけるのではなく、それぞれの感情について体に及ぼす影響を体系づけたのが東洋医学です。

例えば「驚き」という感情。これは体内の気を混乱させる一方で活発にさせる効果があります。

一例としてリウマチという『関節の痛くなる病気』を持った患者が熊に驚いて走って逃げた結果、リウマチの痛みが消えたという話もあります。

現代の医療ではストレス由来の病気を回復させるために「楽しむ・笑う」ということばかりに注目されていますが、東洋医学は「驚き・恐怖」といったネガティブな感情も治療に役立てる感情のひとつとして活用します。

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多くの民間療法の中で針灸治療はプラセボ効果が高い

針を数センチ刺して体内に直接刺激を与えたり、もぐさを体表で燃やし火傷を作るという治療技術は、マッサージや整体よりも恐怖心を高めます。

「代替医療のトリック」という本の中で「針灸が他の民間療法より高いプラセボ効果を発揮する理由として、治療に対する恐怖心がある」という研究結果を導きだしています。

笑いや喜びといったポジティブな感情だけでなく、「恐怖」も治療として活用できる感情なのです。

 


代替医療のトリック
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ストレスは体内の炎症レベルを上げ、腰痛や頭痛の痛みを増す

 最近の研究によると、健康を阻害する要因に「慢性炎症」が関わっており、その慢性炎症はストレスによっても高められてしまうということです。

さて、炎症というのは痛みの原因でもあるので、慢性炎症も腰痛や頭痛を悪化させます。

逆にストレスを減らすことは慢性炎症を抑えることにつながるので、腰痛や頭痛の軽減へとつながります。

そこで「腰痛や頭痛に対して治療を受けた」という安心感がプラセボという思い込み効果を発揮することで、ストレスから解放され炎症を抑えることにより頭痛や腰痛を軽減します。

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参考:体内に火事を起こして、あらゆる不調を引き起こす「慢性炎症」の話 | パレオな男

 炎症は脳の細胞にも起きますんで、体調だけでなくメンタルまで悪化しちゃうのが恐ろしいところ。まさに炎症は万病のもとと申せましょう。

 

心の動きが体に与える影響は想像以上に大きい

腰痛や頭痛などの激痛に対して「気のせい」とは思えないですよね。

それにも関わらず、実際に悩まされている痛みに対してプラセボ効果で改善する患者さんは一定数いるのです。

もし病院に通っても治らない腰痛や頭痛、その他さまざまな症状にお悩みの方は鍼灸治療を検討してみてはいかがでしょうか。