NHKあさイチ「東洋医学で1年を元気に」を東洋医学の専門家が補足説明!
新年最初のあさイチは「東洋医学で1年を元気に」と題して、針とお灸そして漢方薬について特集されました。
針灸治療って「肩こり腰痛や頭痛といった身体症状」を治すために通うイメージをお持ちの方多いと思いますが、東洋医学は下記のお悩みも得意分野なのです。
- なんとなくダルい。
- 不安感、イライラなど精神の不調。
- 冷えや便秘といった、病院に通うほどでもない症状。
東洋医学全般の内容
東洋医学は「気・血・水」の流れを整える
- 気:エネルギー
- 血:血液
- 水:リンパ液など血液以外の体液
ちなみに付け加えるなら「水」もまた津液という2種類に分類されます。
津液(しんえき・つえき)について
- 津はサラサラの水分、運動したとき出る汗やサラッとした鼻水などで、陽の性質を持ちます。
- 液は粘性を持った水分、ねばる唾液や脂汗を指し、陰の性質を持ちます。
陰陽のバランスで治療する東洋医学は、こうした体液の状態を見て針灸治療でツボを刺激したり漢方薬を処方します。
食事・運動・睡眠・心をおだやかに
この4つ、しっかりできないから体調不良に陥ってしまうのですが、仕事が忙しくなったらどうしても心掛けること難しくなりますよね(笑)
全部は無理でも、改善できそうなところから少しづつ何とかしましょう💦
- 食事:黒ゴマや黒豆など黒い物を食べる。これは「腎の気」を補います。腎は生命力そのものを表す経絡で年齢とともに衰えます。「黒い物を食べると若返る」と思って楽しく食べましょう(笑)
- 運動:体液を巡らせます。これは「時間があれば頑張るか。」くらいで良いのではないでしょうか。睡眠や食事の方が大事です(笑)
- 睡眠:東洋医学では腎の陰気があってこそ充分な睡眠を得られると考えます。なので不眠の方は心の状態だけでなく食事面も考えてみる必要があります。
- 心をおだやかに:自分の心がどのような状態か。「イライラ・不安・思い悩む」など、東洋医学は七情として細かく分類しています。
針灸について
つぼの押し方
まず注意点を2つ
- 腫れている部分を押さない。
- いきなり強く押さない
押し方としては
- ゆっくりと痛気持ちよい程度にとどめる。
- 3秒押して、ゆっくり離す(合計5秒ほど)
- 左右両方刺激する。
基本はこんな感じです。ここで語られなかったこととして下記の2点。
- 気を補う場合は優しく長い時間かける。
- 気を削る場合は痛くなるほど強めに刺激をする。
使い分け方としては「気持ち良い」と感じる方法で押してみましょう。
- 気を補う方法で押した場合は「元気になった」という感覚を得られます。
- 気を削る方法で押した場合は「気分がスッキリした」という感覚になります。
番組中に「痛いところが悪いところですか?」という質問がありました。
これはある程度そうとも言えるのですが、「痛い所=悪いところ」と単純に結びつくものではありません。
あさイチで紹介されたつぼ
- 合谷(ごうこく):手のつぼ。親指と人差し指の間。何にでも効果はあるが、特にお腹と鼻の調子を整える。
- 郄門(げきもん):手のつぼ。前腕内側で手首と肘の間。心を落ち着ける。
- 足三里(あしさんり):足のつぼ。膝の皿の外側から5センチ下。お腹の調子を整え、体力や気力の持久力を高める。
- 三陰交(さんいんこう):足のつぼ。内くるぶしの5センチ上。婦人科系の不調、生理や貧血、更年期障害に効果あり。
- 百会(ひゃくえ):頭のつぼ。頭頂部。何にでも効果あり。
- 攅竹(さんちく):顔のつぼ。目頭の少し上。目の疲れに効果的。
- 天枢(てんすう):お腹のつぼ。ヘソから指3本分横にある。便秘・下痢解消
- 大巨(だいこ):お腹のつぼ。天枢から指3本分下にある。便秘・下痢解消
- 会陰(えいん):ありの門渡り。肛門と性器の間。ローラーや指で優しく刺激すると過活動膀胱や頻尿を抑えられる。
鍼灸についての質問疑問
針は注射のイメージがあって怖い
- 注射針の太さは0.8mmに対して針は0.2mm前後。
- 針先の形状も針治療用の針は丸みを帯びている。
針治療用の針はほとんど痛くありません。
チクッとすることがあったり、鈍痛のある場合もありますし、部位によっては痛みの出る場合もありますが、全然怖がることはありません。
ツイッターで拾った質問です。
針は使い捨てなのか、衛生面が気になる。
ほとんどの鍼灸院は使い捨てです。鍼灸院くらさろも使い捨て(ディスポーザブル)を使用しております。
ただし、なかには使い捨てではない鍼灸治療院もございます。
これは鍼灸師のポリシーだったり師匠の考えを受け継いだ場合、敢えて使い捨てではないものを使用している場合ございます。
漢方薬について
漢方薬は食前が良いって本当?
漢方薬は腸内細菌で分解されて体内に吸収されてから効果を発揮するので、確かに食前
(食事の30分前)もしくは食間(食事の2時間後)など空腹時が良いようです。
ただし胃腸の弱い人は食後でも良いとのことで、あまり神経質になる必要は無いようです。
薬食同源(やくしょくどうげん)
中国雲南省という健康長寿の村では三七人参を普段から食べられているようです。
ただ日本ではなかなか手に入らない食材ですよね💦
そこで「黒い食べ物」を紹介していました。黒米・黒豆・黒ゴマなどです。
また甘酒を使ったレシピもNHKあさイチで紹介されています。
東洋医学ならではの未病(みびょう)治療という考え
今でこそ「予防医療」という言葉も馴染み、キラーストレスや睡眠負債という病気ではない体調不良にも目を向けられるようになりました。
しかし病院でこのような体調不良について治療をお願いすることはまだまだ難しいと思われます。
ただ、深刻な病気になってから治療するのでは時間もお金もかかりますし、なにより療養期間って苦しいじゃないですか。
そこで、生命保険や医療保険をかけるのと同じ気持ちで、針灸治療院や漢方薬局で体質改善および健康管理に気を配ってみてはいかがでしょうか。
病気になる前のちょっとした体調不良や精神的に不安定な状態を「未病」といいます。
この未病の状態で治療して1年を元気にお過ごしください✨
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