プラナリアで考える、手の甲のつぼで腰痛や寝違えを治すつぼの不思議
もし貴方がぎっくり腰で針灸にかかったとき、鍼灸師が手の甲に針したら「腰痛って言ったのに話し聞いてたのかな?」って思いますよね。
さらに首が痛いとか寝違えたときの治療をお願いしても、やっぱり手の甲に打たれたら「この針灸師はハズレだな!!」ってなりませんか?(笑)
腰が痛ければ腰を治療して欲しいし、首が痛いときや寝違えのときは首を治療して欲しい。
鍼灸を勉強する前の僕だったら確実にそう思います。
ところが困ったことに、腰の痛みを治す腰腿点(ようだいてん)、寝違えを治す落枕(らくちん)というつぼの場所は手の甲にあるんですよね。
どうしてこんなことになったんだろう・・・
怪しい教祖のやる神秘の演出でしかないよね?
東洋医学の勉強をしてからずーっと考え続けておよそ15年。
その答えはプラナリアの記憶実験にあるような気がしました。
切れば切るほど増える生き物プラナリア
プラナリアという生き物はナイフで切ると分裂する生き物で、頭から割っても胴体で切っても増えてくれます。
研究者のなかにはみじん切りしたところ、120匹のプラナリアを作ることに成功したという話もあります。
さらに凄いことに、プラナリアは分割されると両方の個体に記憶を保持します。
どういうことかというと、胴体で真っ二つにした場合、頭だけでなく尻尾も記憶持つのです。
元々プラナリアは光を嫌う習性を持っています。
そこで記憶実験としてエサをライトアップしてやります。
するとプラナリアは「明るいところにエサがあるんだ✨」っていう学習をして、光を嫌わなくなります。
「光のあるところにエサがある」ということを学んだプラナリアを頭と尻尾で切ります。
普通に考えると尻尾から再生したプラナリアは光を嫌い暗いところに行くはず。
ところが、尻尾側から再生したプラナリアも光を怖がらなくなるのです!
つまり脳以外の部分でも記憶を保持しているということが証明されました。
ということは、人間にも同様のことが起こっている可能性も充分にあります。
腰痛や頭痛を脳内で感じるだけでなく、体のあちこちにある細胞にも記憶されている。
経絡やつぼによる治療は主訴から離れた場所に記憶された痛みの記憶を癒す!
こういう仕組みもあるような気がするのです。
移植手術でもドナーの記憶を引き継ぐことがある
都市伝説として「移植を受けた人はドナーの記憶や経験を引き継ぐ」という話を聞いたことはあるでしょう。
絵を描けない人が腎臓移植を受けてから突然上手な絵を描けるようになったり、左利きになってしまったり。
学習したことや経験で獲得した技術は脳以外の部分にも記憶されていることが最近の研究で分かってきています。
もし腰痛や頭痛の不快感を脳以外の部分で記憶されているなら、手の甲など直接関係ないところの治療で癒されるのも充分にありうることかもしれません。