札幌ゼロ読書会で紹介された分かりやすい哲学入門書「翔太と猫のインサイトの夏休み」が面白そう
僕が小学生のときBB弾のエアガンが流行っていた。
今では小中学生がエアガンで遊んでる姿をほとんど見ないけど、30年くらい前は一人でいくつもエアガン持っている男子が結構いたんだ。
そのエアガンには条例で威力に応じた対象年齢が定められており、18歳以上のものと10歳以上のものがあった。
でもまぁ、そんな決まりなんておかまいなし。
小学校前の文房具店に陳列されているエアガンはどれも対象年齢18歳以上。
それどころか、めちゃくちゃ威力の高いガスガンまで売っていた。
ガスガンになると当たれば痛いどころじゃない。
かぼちゃに穴があくレベル💦
とんでもない凶器を小学生が自慢しあっていたわけだ。
平和なのか物騒なのか……ゆるい時代だったねぇ。
ま、そんな感じで対象年齢って無視されがちだよね(笑)
でも大抵「作り手は対象年齢に合わせた商品を作るけど、お店や客が無視する」という構図になると思うんだ。
ところが逆に、作り手が対象年齢を無視してしまう場合がある。
その代表例が世界的ベストセラー哲学入門書。
ソフィーの世界
ぼくはこの本を20代の時に読んだけれど、サッパリ分からなくて中盤から最後まで「文字を追う」という作業をして読み終えたことにした。
読み終えた直後でも頭ん中には何も残っていない。
目が疲れたとか眠くなったとか、ダルかったという記憶があるだけ。
それなのに、このソフィーの世界の対象年齢は中学生!
めちゃくちゃ難しくて何度も挫折しかけて、ようやく読み終えた本が実は哲学の入門書として書かれていたことに驚きましたよ。
当然ぼくの他にも「ソフィーの世界さっぱり分からん!」と投げ出した人は大勢いて、その流れから「本当の入門書はこう書くんだ!」と出版されたのが「翔太と猫のインサイトの夏休み」らしい。
翔太と猫のインサイトの夏休み―哲学的諸問題へのいざない
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目次
- いまが夢じゃないって証拠はあるか(ぼくらは培養器の中の脳か ほんとうであるとは? 見える世界とほんとうの世界 デカルトのはなし)
- たくさんの人間の中に自分という特別なものがいるとはどういうことか(他人には心がない? 心があるとは? ぼくは存在する! カントのはなし)
- さまざまな可能性の中でこれが正しいといえる根拠はあるか(善悪の客観的な基準はあるか 住んでる世界が違う? 意味は存在しない ウィトゲンシュタインのはなし)
- 自分がいまここに存在していることに意味はあるか(人間には自由意志があるか 宇宙の果ては―「いま」の神秘? 死―人生の意味 ハイデガーのはなし)
- 死と夢
第1章、ぼくらは培養液の中の脳か
かなり有名な話「この世界は誰かが作り上げた仮想現実で、僕らはその仮想空間で泣いたり笑ったり喚いたりしている」という説がある。
テスラ社の元CEO・イーロン・マスク氏も「我々はコンピュータ・シミュレーションの世界で生きている。」と言っていたし、この世がシミューレションなのか夢なのか、もしくは現実に存在していいるのかは誰にも分らない。
このような頭ん中にぽわっと浮かんだ、どうでも良い妄想に対して哲学者はどこまで深く掘り下げて考えたのか。
それを分かりやすく読み物として書かれたのが「翔太と猫のインサイトの夏休み」とのこと。
20代のころに興味を持って読んだものの理解不能で終わらせてしまったソフィーの世界だけど、さらに20年の歳月を経てふたたび哲学について考えるきっかけをもらえた読書会。参加して良かったな✨
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今週のお題「二十歳」