プラセボと宗教を鍼灸治療の一手段として重点的に学ぶ理由
ここ最近は東洋医学や体の構造といった治療についての勉強より、プラセボや宗教について学ぶ時間を増やしています。
なんかこの話だけだとヤバい人になった感あるね💦
「治癒力が欲しいか?」と悪魔にささやかれて、闇の契約を結んだ針灸師みたい。
「プラセボって思い込みでしょ?ちゃんとした治療はしてくれないの?」
「変な祈祷させられて全財産持っていかれそう。」
「体が痛いんだから、体を治してよ。」
こんな感じに思われても仕方ない……
でも、実は慢性的な痛みを治療するには精神面からのアプローチはとっても大事!
日本臨床内科医会で作成された資料「痛みの悪循環」にも、感情や精神面が痛みに影響を与えているように書かれています。
- 痛みに対する不安やこだわり、怒りなどの感情も痛みを強くする。
- 長引く痛みの刺激が脳に記憶されることがfMRIや脳波の測定からわかってきた。
また、別の文献では「ストレスが体に慢性炎症をおこして、痛みの感じ方を強くしている」という話もあり、心の在り方は慢性的な痛みに大きな影響を及ぼしています。
そこで、どうしたら痛みに対する不安や恐怖を解放できるのか、脳に記憶されてしまった痛みを消すには何をすべきか。
ヒントを探してたどり着いたのがプラセボや宗教による心の仕組みでした。
日本臨床内科医会作成資料による「痛みの悪循環」
- 近年の研究で、強い痛み、長引く痛みは、その刺激が脳に記憶されることが、fMRIや脳波の測定からわかってきました。
- また、強い痛み、長引く痛みによって、痛みの閾値が低下して(弱い刺激なのに強い痛みを感じて)しまう可能性も考えられます。
- このようにして生じた長引く痛みの治療では、なによりもまず、今ある痛みを軽くすることが大切です。それによって痛みの悪循環が解消されると考えられます。
この資料を逆に考えると、痛みの悪循環を断ち切り感じ方を軽くするだけで慢性痛の回復は早められるとも考えられます。
- 痛みが軽くなれば動かせるようになる。
- 動かせるようになれば回復が早くなる。
- 回復してゆくうちに痛みを忘れて治る。
施術者とお客様の2人だけでお話しの時間をとれるからできる治療
鍼灸の施術中は本当にどうでも良い雑談もします。
楽しみにしていたイベントを風邪でキャンセルした話だったり、嬉しいことがあったけど親しい人に言って自慢に思われても嫌だから言えない話だったり。
こういう話をして痛みから気がそれると「そういえば酷い痛みだったのに、気が付いたら平気になってる」と言ってくれる方もいます。
また針やお灸で強めの刺激を与えることで「これだけ痛い思いをして治療を受けたのだから、きっと治る!」と信じることで痛みが改善されることもあります。
患者さんと施術者の考え方のズレ
鍼灸ではヘルニアをひっこめたり骨の変形を戻すことはできません。
ただ「痛み」という不快感に対しては様々な治療法を提示できます。
東洋医学だったり、運動療法だったり。
でも患者さんからすると「針やお灸による治療は痛みの原因となる体の悪い部分を正常にしてくれた」と考える方もいらっしゃるでしょう。
それなのに「痛みを気の持ちようで治療された」と知れば不信感を持たれても仕方ありません。
最善を尽くした治療をしても、説明が足りなければ騙された気になってしまいます。
お客様の考えと僕の施術方針を一致させて、今まで以上に効果の高い鍼灸治療をできるような情報発信をしていこうと思います。