ローマ字日記の一人芝居を食事中のセレブに見せるプレイ
今週のお題「雨の日グッズ」
はたらけどはたらけど 猶わが生活楽にならざり ぢっと手を見る
一握の砂を書いた石川啄木だが、なぜ働いているのにいつまでも貧乏なのか、お金はどこに消えたのか。理由はローマ字日記に綴られている。そのローマ字日記を妻の節子が読み上げる。
一人芝居のお手伝い
10年以上前の話だが、方言指導士をしている方が、あるお金持ちクラブの集まりで「ローマ字日記の一人芝居をする」ということで、僕は音出しの手伝いをすることになった。
お芝居は啄木が書いたローマ字日記を妻の節子が読むという形で進む。
このローマ字日記、ご存知の方なら分かるだろう。かなりなまめかしい内容になっている。
そのお芝居をお金持ちクラブのセレブな人達は、素敵なディナーの時間に楽しむという、僕好みのシチュエーションで行われた。
還暦を迎えた方言指導士の艶めかしいお芝居
冒頭で書いた「働けど~ぢっと手を見る」という短歌だが、啄木の働いた金は風俗嬢に貢がれていた。
一人芝居ではそのあたりが艶かしく具体的に表現される。
となりで寝ている風俗嬢に指を入れてみた。一本、二本、それでも嬢は寝ている。ムカつくこの女!俺はとうとう腕まで全部入れてやった。嬢はようやく目を覚まし、おぅおぅとよがる。このアパズレが!
(※かなり意訳)
啄木さん、気持ちは分からんでもないが、そりゃしょうがないじゃないか(笑)
んで、このシーンを60過ぎのおばちゃんのリアルなよがりで魅せてくれる。
そして食事中のセレブな人達。
かなりシュール(笑)
お芝居が終わった後、演者に感想を聞かれたけれど、さすがにどう返事して良いか分からず、「激しい内容でしたね」と笑ってごまかした記憶がある。
プレゼントされたバケツ
ローマ字日記の一人芝居を手伝ったお礼に貰ったのがこのバケツ。持ち手がプラスチックなので、ぼろきれを巻いて隠してある。
これは「啄木のボロ家が雨漏りしている」というシーンで、雨を受けるために使われた。
ここから始まる「今週のお題・雨の日グッズ」
雨漏りする家に住んでいる人には必須のアイテム、バケツ。
このアイテムの残念なところは、金属製なので錆びてしまうというところだが、まぁそこは、お芝居の記念品みたいなものだから、水を入れて使うことも無いのだけどね。入るのはせいぜいホコリくらいなもの。とはいえ、いつか自宅が雨漏りしたときは活躍してもらわねばなるまい。
それにしても、まさかこんなすんなりと今週のお題に入っていけるとは思わなかった。
ミニマリストをしていたら、このバケツは既に捨ててしまっていたことだろう。やはり物は大事にとっておくほうが、何年後かに思わぬところで役に立つ。
このバケツが10年の時を超えて役に立ってくれたことに感謝。啄木はガン・・
いや、韻を踏むのは野暮というものだろう。
今日はこのへんで。