『林修の今でしょ!講座』3時間SPの東洋医学。冬の体調不良ワースト5と効果的なつぼ
『林修の今でしょ!講座』にて東洋医学を取り上げていました!
2019年に入って地上波で東洋医学を取り上げられるのはこれで2回目。
皆様にとって東洋医学を馴染み深いものにして、身近な健康法として役立てていただけると嬉しく思います。
さつまいも&りんごの健康効果
さつまいもの健康効果について
さつまいもには、腸内をきれいにし便秘を解消する3つの成分があります。
- 水溶性食物繊維で糖と脂肪を包み込む。
- 不溶性食物繊維は包み込んだ糖と脂肪を排出する。
- 皮付近に多い「ヤラピン」という成分は腸の蠕動運動を助け、便を排出する能力を高める。
さらに冷やして食べるとレジスタントスターチによってダイエット効果を期待できます。
※余談ですが、加熱前のさつまいもを冷やすと黒く変色して苦くなります。
りんごの健康効果について
- りんごの皮に含まれるプロシアニジンは、酸化した悪玉コレステロールを血管に付着するのを防ぐ。
- ただし体内での持続時間は短いので朝昼晩など分けて食べる。
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人は夜に脂肪を溜め込みがちなので、夜にリンゴを食べると良い。
東洋医学について
西洋医学と 東洋医学の違い
西洋医学と東洋医学の違いについて、森と木の関係に例えて話をされていました。
「西洋医学は森の中から悪くなっている木を見つけて治療する。東洋医学は森を俯瞰して間伐などの手入れによって森全体を良くする。」という内容です。
- 西洋医学:体の悪い部分に着目してピンポイントで治療する。
- 東洋医学:体全体の気血水の流れやバランスを調整する。
ちなみに、どちらが優れているかという話ではなく、同じ病気に対して違った考え方で治療にあたると治る可能性が上がる。という風に考えてもらえると嬉しいです。
番組中でも「医師に処方された薬で治らなかったストレス性の不調が、漢方薬を飲んだらピタッと治まった。」という話をしていましたし、僕が針灸治療をした患者さんからも「病院で治らなかった腰痛なのに治った!」と言って喜ばれることもあります。
優劣や科学的かどうかを考えるのではなく、両方の良いところを活かして患者さんが最善の治療を受けられると良いなと思います。
冬の体調不良ワースト5と治療穴(つぼ)
- 目の疲れ
- 肩こり
- 冷え性
- 腰痛
- 頭痛
目の疲れに効くつぼ:攅竹(さんちく)
まゆげの近くで、目のくぼみにあります。
頭蓋骨方向に向かって軽く押すと眼精疲労など目の疲れに効きます。
景色が明るく感じるようになります。
肩こりに効くつぼ:合谷(ごうこく)
親指と人差し指の間にあるつぼです。
大腸経という経絡上のつぼなので、肩凝りだけでなく便秘や下痢などお腹の症状にも効果があります。また経絡の走行から鼻づまりにも効果的です。
冷え性のつぼ:三陰交(さんいんこう)
足の内くるぶしの少し上、婦人科疾患や女性に多い体調不良に対して万能のつぼ。
血流を整えることで、頭痛や生理痛などに効果を発揮します。
腰痛のつぼ:腰腿点(ようだいてん)
腰のつぼですが手にあります。
東洋医学では治療するにあたって気血水の流れを重視します。
そこで腰痛に対して腰腿点という遠く離れた手のつぼを刺激して体全体の流れを整えて痛みを和らげます。
頭痛のつぼ:風池(ふうち)
うなじにあり、頭蓋骨のすぐ下にあるつぼです。
首や肩の血流悪化による頭痛を緩和するだけでなく、目の疲れをとるときにも使います。
漢方薬講座
- 漢方薬の副作用は一般のクスリの1/10程度。
- 服薬のタイミングは食前が良い。その理由は漢方薬は食べ物とほとんど同じなので、他の食べ物との干渉を避け吸収を高めるため。
西洋医師100人に聞いたお勧めの漢方薬ベスト3
- 葛根湯:体を暖める。風邪の初期症状、肩凝り、その他あらゆる病気の初期症状に効果的。
- 大建中湯:冷えを伴う腹痛、腸の動きを良くする。血行促進で体を暖める。手術後の腸閉塞に使われる。
- 芍薬甘草湯:筋肉の痛み、こむらがえり、痛み止めとして。寒い日に飲むと古傷の痛みがとまる。
東洋医学は手軽だけど奥深い
番組では「腰痛に効くツボ」「肩こりに効くつぼ」といった形で手軽にできるセルフケアの方法を教えてくれました。
一方で針灸師をはじめとする東洋医学の治療家は「肩こり」「腰痛」という症状に対して全員に同じ治療をするわけではありません。
鍼灸師は患者さん一人ひとりの状態を判断して、つぼや経絡の選択、そして針を使うべきか灸を使うのかを判断します。
- 脈の速さや強さなどの状態
- 舌の形状や色
- 心の状態(七情)と外の気候(六淫)
テレビをきっかけに東洋医学に興味を持っていただいた後、鍼灸院に足を運んで「東洋医学から見た自分の体の状態」というのを知るのも面白いですよ。
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