『葛根湯医者』という落語でわかる東洋医学のいいかげんさ
漢方薬の風邪薬ともいえる葛根湯ですが、実は風邪以外にもさまざまな効能があることはご存知でしょうか。
ツムラとクラシエとwikiなどに書いてある葛根湯の効能を書き並べると、下記の効能があるようです。
- 風邪の初期症状
- 肩こり
- 筋肉痛
- 神経痛
- 血行障害
- 鼻水・鼻づまり
- じんましん・かゆみ
なかなか効能に節操が無いですね。あまりにも節操がなくて落語に『葛根湯医者』という演目まであります。 youtubeで探したところ英語しか無かったのですが、まぁでも1分程度の簡単な英語なので聞けばわかるでしょう。
「頭が痛い?じゃあ漢方薬の葛根湯をどうぞ。1日3回だよ」
「次、腹が痛い?じゃあ葛根湯をどうぞ。1日3回だよ」
「次、背中が痛い?じゃあ葛根湯をどうぞ。1日3回だよ」
「自分はどこも悪くないが、付き添いで来たんだ。」
「ああそうか。じゃあ葛根湯をどうぞ」
おおよそこんな感じの話をしています。
東洋医学の治療って、わりと葛根湯医者っぽい
落語の演目になったのは葛根湯でしたが、鍼灸もだいたい同じようなことをします。
例えば「息苦しい」「筋肉がつる」「気力がわかない」「肌荒れがでてきた」と言われた治療法のほとんどが、「手に治療を施す」という方法をとります。その理由は「どれも肺の経絡で治療するから」なのです。
肺は皮毛(ひもう:皮膚と体毛)をつかさどり、悲しみや憂いという気持ちと関連を持ちます。また「気の力」にも関係しているので、気力が消えたり、五行の考えで「肺が弱ると肝が強くなる。結果として筋がつる」ということにつながります。
このような考えから、一見脈絡のない症状の全てをひとつの経絡治療で済ませてしまうことがあるのです。
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