鍼灸院くらさろ跡地

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針をする前のアルコール消毒に意味はあるか

注射する前のアルコール消毒、これ鍼灸師もお客さんの体に針を刺すときにやります。けれど「70%エタノール」で消毒できる菌なんて限られているし、大した効果も無いので意味がない。という話しは何年も前からありました。

 

医師が指摘。「注射前のアルコール消毒」は無意味 | All About News Dig(オールアバウト ニュースディグ)

 皮膚には常在菌と呼ばれるバイキンが必ず付着しています。そのバイキンを取り除くために、注射をするときにアルコールにつけた綿、「酒精綿」で皮膚を消毒してから針を刺すのが一般的ですよね。でも、「注射前に皮膚をアルコール消毒することは無意味」なんです。

 

注射する部位の皮膚に汚染物質がいっぱい付着していたら、その物質が体内に入り込む可能性は否定できません。しかし、予防接種や採血の場合、皮膚に入っている針の時間から考えて体内にバイキンが入り込むことはありません。万が一、皮膚が異常に汚染されている状態だったら、水洗いすることで十分です。明らかな感染性物質に汚染されている皮膚の場合はアルコールごときで対応はできませんので、イソジンあるいはヒビテンで消毒するのが正解です。ノロウイルスは塩素系のミルトンで消毒します。

上記リンク先の先生は、生理食塩水で体を拭いてから注射をするそうです。「消毒せずに注射した!」って風評から経営悪化につながったら困るけれど、エタノール消毒は皮膚が赤くなる患者さんがいる。だから塩水を使う。という話しでした。

 

ところで、手洗いには意味があることがわかっています。

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 手洗いで効果が出るのは石鹸を使ったうえで流水で15秒程度流すと手から多くの雑菌が落ちます。

 

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かたや、エタノール消毒はせいぜい1~2秒、しかも流水ではなくサッと一拭き。効果があるかないかを考えると、非常に効果は薄いかもしれません。たしかにこれでは「しなくて良いことはしたくない」と考えたくなりますね。

 

ただ、それより重要視されるのは風評予防と言い訳です。もし風評から保健所に連絡がいったとき、アルコール消毒していれば治療家は「衛生面に気を付けた」と言えますし、患者側も衛生的だと思って安心してもらえるなら、案外その程度で充分意味がある行為であるとも言えます。

 

札幌つちだ鍼灸治療院