境界と揺らぎがテーマの清武昌展
とても小さな世界から見る僕という存在は、炭素の鎖に水素や窒素をくっつけて電子を飛ばしたり受け取ったりしていて「何となく原子が密集してるな」くらいにしか認識できない。
かといって宇宙規模の視点から見る僕は存在しないも同然だ。
僕らがコロナウィルスやインフルエンザウィルスの存在を認識できるのは、深刻な病を引き起こして注目を浴びるからで、害が無ければ全く気にしないだろう。
事実、少しだけ人をアホにするウィルスのATCV-1や、無謀な行動へと駆り立てて人生を破滅させるトキソプラズマといった微生物は大きな害にならないので誰も気にしていない。
さて、僕ら人間の存在が「見える」境い目はどこにあるのだろう。
大きすぎる視点はダメ、小さすぎる視点ダメ。程よい大きさの視点とはどこからどこまでか。
そんな境い目とか揺らぎをテーマにした個展「清武昌展 boundary」を見てきました。
清武昌展boundaryについて
- 見える/見えない
- わかる/わからない
- 秘密/共有
相反する物事の境界と揺らぎをテーマにした個展です。
※boundary=境界という意味です。
テーマこそあれど、感じたり思ったりするのは自由なのでしょう。
作品を見て僕が感じたことを好き勝手に綴ってゆこうと思います。
勝手に解釈!分断された作品
画像左にある「78」とか赤い線とかは、はっきりした「分かる」部分。
思考が固まってアウトプットでき、文字にしたり話すことで他人に伝えられる。
右端の汚れた白いところは無意識、気にすることもできない領域。
真ん中で切れているのが思考の断裂したところ。「気が散った瞬間」みたいなものか。
たとえば巨大駐車場のあるイオンに友人や家族で行ったとするじゃない?
店に入るときは買い物したりカフェに行ったりとワクワクしてるから夢中でお店入るよね。
たっぷりくつろいだ後、お店を出たら駐車場が分からなかったりして。
「そういえば車どこに止めたかな?」
「無意識に入ったから覚えてないよ💦」
「たしか78って書いてある所だったはず……。」
「No No なやみ無用~♪」
「リーブ21のCM懐かしいね!和田アキ子さんだったよね✨」
「あれ、本当に生えてくるの?AGA治療で病院行く方が確実じゃない?」
「ちょっと、今は髪の悩み解決するより車見つける方が先なんだけど(笑)」
こんな感じで「無意識・はっきりしてる意識・意識の断絶された瞬間」を読み取れるのではないでしょうか。
展示物なのに破かせてくれる(笑)
アーティストの生徒さんが個展に来ていました。
先生の「破いてごらん(笑)」って言葉に、恐る恐る穴をあける子ども(笑)
丁寧な円形に破くあたり、控えめな性格が出てますよね。
気遣いのできる良い子だ。
それにしても個展の展示物って触るのも恐れ多いのに、破くことができるなんて特別なドキドキを感じたのではないでしょうか。
注意書きにするまでもありませんが、許可なく破いちゃダメですよ(笑)
清武昌展の会場と開催日時
『清武昌展 boundary』
- 期間:2月23日(日)まで。※火曜日定休
- 時間:12:00~18:00
- 料金:無料
- 場所:Gallery Retara(3階)
- 住所:札幌市中央区北1条西28丁目2-35
- アクセス:地下鉄東西線 円山公園駅
- フェイスブック:清武昌展 boundary
お時間あるとき、雪まつりのついででも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。