酒で体内を消毒は本当だった!?感染症予防に飲酒はアリかもしれない
「酒で内臓をアルコール消毒」なんて酒好きの冗談としか思っていませんでした。
もし本気でアルコール消毒したいならエタノールが最大の効果を発揮する70%ウォッカを飲むべきで、10%前後の酒に意味なんて無いはず。
…ところが、先日NHKで放送された「酒の知られざる真実」を見て、もしかすると酒は本当に体内を消毒しているのかも。そんな風に考えが変わりました。
昔から風邪のときに卵酒を飲む習慣もありましたし、経験則や言い伝えレベルの話だった「酒は百薬の長」の風邪薬としての働き、案外本当にあるのかも。
まだエビデンスのない話なので、話半分として「NHKが酒飲みの味方をする内容を放送したんだな」くらいに軽く受け止めてくれるとありがたいです。
効果を発揮するのはアルコールではなくアセトアルデヒド
飲酒による感染症への抵抗はアルコールそのものではなく、肝臓で処理された「アセトアルデヒドが病原菌を攻撃する」という推論でした。
まずアルコールは体内に入ると、胃と小腸で吸収されてから肝臓でアセトアルデヒドに変わります。
このアセトアルデヒドは酔いの原因となり、顔を赤くしたり二日酔いなど体調不良をひきおこし細胞を傷つけ癌の原因にもなります。
けれども同時に病原菌も攻撃して感染症を防いでくれる。
つまり人間の細胞も侵入してきた病原菌も、無差別に攻撃するものと考えられます。
飲みたくなるのは“進化の宿命”!? 酒の知られざる真実 | NスペPlus
アセトアルデヒド分解遺伝子の働きが弱い祖先が酒を飲むと、体内には分解できない猛毒のアセトアルデヒドが増えていく。しかし、その毒が悪い微生物を攻撃する薬にもなった可能性があるというのだ。
一方、酒に強い祖先は体内のアセトアルデヒドが少なく、悪い微生物が抑えられずに大繁殖してしまうことになる。
こうして「酒に弱い遺伝子を持つ人の方が、感染症に打ち勝って生き延びやすかった」というのが、有力な仮説の一つだ。
残念なことに、酒に強い人はアセトアルデヒドの分解能力が高いため、飲酒しても感染症にやられてしまうようです。
…こまめに飲酒してアセトアルデヒドを補充すれば良いのか?(笑)
適量の最大値はアルコール20グラム
アルコール量は、およそ20グラムを超えたあたりから人体に悪影響をおよぼすとのこと。
では、アルコール20グラムとはどの程度の量なのでしょうか。
アルコール量(g)=お酒の摂取量(ml)×度数(%)×0.8(比重)
この計算式でアルコール5%のビールを計算すると
20g=500ml×0.05(度数)×0.8(比重)
ということで、500mlのロング缶1本が適量の最大値です。
ストロング系の9%なら、250mlを少し超えるくらいでしょうか。
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嫌な気分や落ち込んだときにやると確実に回復する「ストロングゼロで吹き飛ばす」という荒技、普通の人なら「飲んじゃいけない」と警告を出したくなるやつ。
9%のアルコールを柑橘系の味と炭酸で飲みやすくして、さらに値段も安くて簡単に入手できるところに恐ろしさがある。
病気になった状態での飲酒はほどほどに
アセトアルデヒドが病原菌を攻撃するとはいえ、そもそもアルコールを分解するとき肝臓だけでなく心臓や筋肉などにも多大な負担をかけて解毒処理をします。
まずアルコールは主にアルコール脱水素酵素(ADH)で、有毒なアセトアルデヒドに酸化されます。
アセトアルデヒドは主に2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)で酢酸に酸化されます。
酢酸は血液に乗って肝臓を離れ、筋肉や心臓に移動してさらに分解され、最終的には炭酸ガスと水になります。
ただでさえ病気で弱っている状態で、さらに酒の処理で体に負担をかけてしまうのは危険です。
そして冒頭でも書きましたが、アセトアルデヒドが感染症予防に効果がある話はまだ仮説の段階です。
飲み会の席でふざける程度のヨタ話し程度に抑えておいてください💦