病気治療でも美容目的でもない、遊びに来たくなる鍼灸治療院構想
『えんとつ町のプペル北海道』というフェイスブックページで「昔は西野さんのファンを名乗りづらくて隠れキリシタンのようだった。」という話がちょっと出た。今でこそ革命のファンファーレが広まりクルーズ船の成人式などのおかげで公言しやすくなったのだが、1年前は意識高い感じと炎上のしやすさから、気の小さい人にとって大っぴらに「ファンです!応援してます!」とは言いづらい雰囲気があった。
一方で隠れキリシタン増加中の時期に西野さんを拡散していたのはアンチだった。彼らは見下し嘲笑しながら話を広げてゆく。対する西野さんも「逆風でも帆船は進む。Anti is Cute」と言って燃えた火を絶やさないように頑張っていた。
さて、先日なかなか含蓄のある匿名日記を読んだ。
人に薦める場面で考えてみてほしい。 ひでぇものを「おいおいこれみてみろよwwwww」ってのと、素晴らしいものを「すごいぞ……みてみな」っての、どっちが気軽かを。
ひでぇものなら、安心してみんなで見下せる。反応も予想がつく。だけど、素晴らしいものは、みんな素晴らしいと思ってくれるとは限らない。薦める側は、まるで宗教を勧誘しているようなバツの悪さすらある。結果、現代において、ビジネスとして優秀なのはどっちだ?異世界ス○ホとオ○ガとポプ○ピピックか?
読めばおもしろいけど、薦めるのに勇気がいる作品か?
- 自分が良いと思う物は他の人がどう思うか分からないから他人に勧めづらい。
- ひどい物ならバカにする感覚を共有しやすく拡散力がある。
また、西野さんがレターポットを広める中で語った言葉「文字や言葉が有限で希少価値があるなら人は良い言葉を使い、無限で無価値なら悪い言葉が使われる。」というもの。匿名日記と西野さんの話を合わせると
悪口や侮蔑の言葉には無限の拡散力がある!
ということになる。
鍼灸院経営2つの道
侮蔑や嘲笑など悪評で拡散する手法。収益化は難しい
さて、鍼灸治療院を経営するにあたって悪評による炎上での拡散を考えた場合、どうやって お客様から料金をいただくのかという問題にあたる。
僕が知る限りこの方法で運営できている治療院といえば、岡山にあるごちうさ仕様の治療院くらいだろう。
これは話題にはなるけれどファン以外は写真撮るために数回来るのが関の山ではなかろうか。何度も通いたくなるような仕掛け作りは普通の治療院以上に難しい。というのも普通に考えると鍼灸院は「不」を解消する場所だ。
- 腰痛・肩こりなどの体調不良を改善したい。
- 肌質やむくみなどの不満を解消したい。
こういう人をメインターゲットにしているわけで、バカっぽい鍼灸師に体を預けるのはまずありえない。
「変態だwバカだこいつwww」
そう思っている相手にもぐさで火を付けられ針を刺されるという需要は飲み会の罰ゲームくらいなもので、ツイッター映えさせた後もリピーターとしてイベントも無いのに来てもらうのはとても難しい。
注文をまちがえる料理店というお手本
「注文をまちがえる料理店」というイベントがある。これは認知症を患った方をホールスタッフとして接客させるイベントだ。
注文をまちがえる料理店のつくりかた
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ロゴが「テヘペロ」しているところから分かる通り「間違ったらごめんね」というホールスタッフと、それを許すお客さんの間で優しさを共有できる仕組みが作られてておりスタッフもお客さんも関わった人すべてが幸せになる最高の方法だ。しかも、このイベントは「お腹すいた」「おいしいものを食べたい」という食べ物に対する欲求で来店するお客様ではなはなくワクワク感を求めて来店する。
ただ、コンセプトとは裏腹に運営側はホールスタッフが間違えを起こさないよう全力でサポートしており、認知症患者の尊厳を守るために最大限の配慮がなされている。
イベント第一回のアンケートは上記グラフにあるように6割に間違われているが、第二回では半減の3割しか間違われなかった。
「注文を間違われる」というのが持ち味ではあるものの、最大限間違えの起きない仕組みを考えたからこその結果で、この配慮がイベントを炎上させない肝になっている。
「不の解消」以外で来院してもらう治療院構想
今ある治療院のほとんどは初回受療を「不の解消」目的としたお客様にターゲットを定めている。この王道を壊して初回から侮蔑嘲笑目的もしくはワクワク感を求めて遊び目的で永く運営できる鍼灸院をつくるためにはどうしたら良いか。
できれば「注文をまちがえる料理店」のように優しいお客さんに囲まれて仕事したいという願いはあるものの、実はこの仕組みづくりはものすごく大変だ。
- 注文を間違えても良いように一流の料理人ばかり揃えている。
- アレルギー症状を出さない
- 認知症患者を笑いものにしないよう極力注文を間違えないように配慮している。
そのほかにも様々な仕掛けがあり簡単には真似できないものとなっている。鍼灸院も同様の構想で始めようとすると料理店と同じくらい多くの壁にぶち当たることだろう。安易な手法として悪評による炎上に手を出したくなるが、これまた収益化が難しくて行き詰る。6月頃に訪問治療専門からテナントでの鍼灸院も始めたいと思ってから色々構想を練るけれど、いつまでも考えは固まらない(涙)