ビブリオバトルで発表した「老子」は、高学歴ニートとミニマリストとセミリタイアの先駆けだ
のんびりまったりしているように見えて、意外と好戦的な一面もあります。
針灸師になった理由も、高校生の頃に知った「喧嘩芸骨法」という武道がきっかけ。
敵の胸に手を当てるだけで絶命させてしまう「徹し(とうし)」という技を身に着けたく、その技術のヒントとなっていた大東流合気武道に通い、そこで整体を習った流れで鍼灸学校に進みました。
そんな僕にバトルのお誘いがありました。
ビブリオバトル
2019/11/29 第2回 書評ゲーム!ビブリオバトル@SALOON | 札幌ゼロ読書会
本で戦うといえばファイナルファンタジーの学者。
両手に装備した辞典を武器として戦う姿は、ボディビルダーと比べても遜色のない大胸筋や腕の太さをしていたことでしょう。
現実世界で本を武器に戦った人といえば、女子プロレスラーの婚活軍。
ゼクシィで戦う彼女たちの姿を見て、マリッジブルーも嫁姑問題も乗り越えてみせるたくましさを感じました。
リクルートに怒られて謝罪会見してたけど💦
さて、蛇足を付けたしすぎて蛇をムカデにしてしまった感ある前置きをしましたが、ビブリオバトルというのは、本を紹介して多くの参加者に気に入ってもらうことを目的とした、選書とプレゼンを組み合わせた知力の総合格闘技です。
今回のテーマは小説か歴史。
ぼくが選んだのは三国志のちょっと前、春秋戦国時代に書かれたと思われる「老子」という哲学書です。
現代で老子の思想を体現している存在としては
- ミニマリスト
- 高学歴ニート
- セミリタイア
この3つの生活スタイルが近いかなと考えています。
プロ奢ラレヤーさん、レンタルなんもしない人など、賢くて文章力あるのに無気力な生き方をする方々。
どうしても散らかってしまう部屋を綺麗にするために行き着いた結論としてのミニマリスト。
ある程度の貯金をしたあとは貯金を減らさない程度に緩く働くセミリタイア生活。
動より静を尊び、無や虚の存在を認めて生きる。
現代の生活リズムに疲れた人に向けた、心が楽になる哲学書であると感じます。
老子の教え
内容はおおまかに3つ。
- あるがままの自然に任せる。
- 目的達成のために反対の行動をとる。
- 無や虚を理解する。
あるがままの自然に任せる(無為自然)
多くの人は生まれたことに意味を求め、生きる上で努力をします。
けれど老子の教えは「無理をせず自然の摂理に任せる」というもの。
良い大学に入り、大きな会社に勤め、そこでさらに営業成績を競う。
こんな生活をしていたら心の休まるときがありません。
何もせず静かに心を落ち着け、時の経過とともにゆったり生きる。
無理をしない生活スタイルが「無為自然」であると考えます。
目的達成のために反対の行動をとる
- 奪うならばまず与えよ。
- 伸びたければまず屈め。
目的を持った行動を起こすときは、その逆をする。
「残酷すぎる成功法則」という本の中でも、与える人と奪う人(GIVERとTAKER)の話がありました。
ただし、無理をして与えると長続きしません。無限に生み出されるものを与えることで奪うことができるのです。
理想とする世界
- 国は小さく人口は少ない、優れた人物がいても腕を振るう機会もない。
- 遠出しないので船にも車にも乗る必要はなく、武器も使い道がない。
- 文字を書いたり読んだりするこざかしさも忘れ、現在の衣食住に満足し生活を楽しむ。
今で言うと、部屋は小さく物は少ない、片付け名人や便利なアイテムも使うところがない。
出かけることもなく、自己啓発書も読まずに楽な生き方をする。
これが現代の老子としての生き方ではないでしょうか。
高学歴ニートと呼ばれる人たちはツイッターやnoteおよび本を書いて売るけれど、彼らにとってはそれが無理のない行動で、言葉は無限に生み出されるからツイッターやnoteで我々に与えてくれるのでしょう。
頑張らないと続けられないことはやめて、シンプルに自分のできることに尖る。
こういう話をビブリオバトルで発表したかったけど、全然言葉になりませんでした。
今度からはブログで文章を作ってから参加しよう。
そんなことを思ったビブリオバトルでした。