針灸だからできること、病院だからできること
針灸について書かれた論文を見たり話しを聞いてると、健康に関してずいぶん万能感あるなぁって感じます。
- 未病治療や風邪予防など健康増進に効くお灸
- 便秘や下痢、胃の痛みなど内臓の症状に効くお灸
- 腰痛やひざ痛など関節の痛みに針治療
- ストレス緩和、美容効果のある針
あらゆる体の悩みに対応していて、もしかして病院なんて必要ないんじゃない?っていう気さえしてきたり(笑)
それなのに、ぼくは予防接種を受けるし病気になれば病院に行くのですよ。
おかしいだろー!自分で治せ!!予防もお灸でしろよ!!!
って思うよね。普通💦
どうして僕は針灸を信じているのに、病院で予防接種や治療を受けるのか。
その理由は、感覚と経験に頼るところの大きい針灸と、統計で多くの人に効くと証明されている標準医療の違いにあります。
たとえば鍼灸治療では、腹痛のとき足三里(ひざの下)のつぼに強刺激を与えると内臓がキュッと縮まる感じに動いてお腹が楽になったり、肘のつぼに針をすると鼻づまりが解消します。
ただし治療効果のバラつきは大きくて、施術者と患者さんとの相性が悪かったり考え方を受け入れられない場合、良い結果を出せないという困りもの。
一方で病院が処方してくれる薬の場合、新人医師でもベテランの医師でも同じ薬さえ処方してもらえれば大体同じ効果を得られるのは嬉しい✨
もう一例として、腰痛や頭痛などあらゆる体の痛みはストレスによって強く感じてしまうことが最近知られるようになりました。
このストレスを原因とする症状に対しては、痛み止めで対処するより時間をかけて針灸師の施術を受けることで気持ちが楽になり慢性痛を解消できる場合もあります。
このように一つの症状に対して針灸と標準医療で得意とするところが違うため、針灸師の僕でも病院にかかり治療や予防接種を受けるんですね。
薬の副作用に対して針灸の活用なんて最高!
針灸と標準医療はどちらか一方を選んで治療を受けるだけでなく、両方のメリットを活かして病気治療にあたっている方もおり「自分に合う治療法をコーディネートできる人って素晴らしい!」と尊敬します。
「薬を飲むと胸やけして気持ち悪い」「薬を飲むとしばらくの間ぼんやりしてしまう」と悩んでいた方から「針灸を受けると副作用が楽になる」なんて感想をいただき「針灸という選択肢を提示できて良かった。」と心底嬉しくなります。
血が止まらなくなる薬を飲んでいる方には刺さらない針、火傷や傷がつくと治りの悪い方には温灸という火を使わないお灸もできますので、元気なうちに自分の体にあった施術をしてくれるところを探してみるのも面白いですよ。