虐待する親は愛情のかけらも無い鬼畜なのか
虐待に関する事件が報道されると、その親は「しつけだった」と言うことが多い。そして、たいていの人は「子どもより自己保身の言い訳が先にくる鬼だ」と思っているのではないか。
では、虐待する人はどう思っているのか、2年前に聞かされたことがある。
ま、簡単に言うと僕が母親から聞いたのさ。
母から受けた虐待
- 夜中まで家に入れてもらえない、墓場に捨てられる
- 1日最低10発は火ばさみで尻を叩かれる(当時は鉄製の長いやつでメッチャ痛い)
- 中華鍋で頭を殴られる(痛いというより、一瞬なんだか分からなくなる)
- 真冬の旭川(気温マイナス20度以下)で、全裸で外に出される
- バットで背中を殴られて呼吸ができなくなる
- 寝るのは23時、起きるのは6時
思い出せるのはこれくらい。だいたいは小学生の頃に受けたもので、理由は「ソロバンの成績が悪い」だったと思う。他の理由として僕が悪かったのもあるし、弟が悪かったけど連帯責任で殴られたりとか、いろいろ。
父がいなかったら死んでた
父は長距離のトラック運転手でほとんど家にいなかったんだけど、真冬に全裸で外に出されたときは、たまたま父がいて「そんなことしたら凍えて死んでしまうだろ!」って怒鳴って家に入れてくれたから無事に今でも生きてる。
※とにかく明るい安村が旭川の冬まつりにパンツと靴だけで登場してたけど、僕はとにかく暗い小学生時代にパンツも靴下も無い状態で外に出されてた。
子どもに対する愛情が無かったわけでもない
虐待をするくらいだから愛情が皆無なのかといえば、そうでもなくて「寝るときは一番怒った子を抱く」みたいなことをしていた。キモチワルイだけなんだけど。
あと、教育にはお金かけてたし、部活で必要なものは買ってくれていた。
「虐待して喜んでるだけのクズ親」というより「限度を超えたヒステリー」と言える。
ちなみに更年期障害というわけでもなく、60才過ぎても毎日怒っていた。このヒステリーから一転、母の気持ちがどん底まで堕ちるのは父にすい臓がんが見つかって余命いくばくも無くなった頃からだ。
虐待について語った内容
父は膵臓がんで余命わずかになるし、子どもは独立して家から出てしまい、怒る相手もいなくなって寂しくなったのだろう。急に弱気になって泣きながら昔のことを語り始めた。
- あの時代は子どもを厳しくしつける風潮があった
- 自分はしつけだと思ってやってきたけど、子どもの身になって考えてみたら虐待だったね
- いろいろ謝罪の言葉と言い訳
僕もウンザリしながら聞いていたので全然覚えてないけど、だいたいこんな話をしていた。
まぁとにかく「言い訳たっぷりで保身のための謝罪」って感じで「あの虐待は自分も被害者」とでも言いたそうな内容だった。あと「泣いて謝って自分スッキリ」みたいなものだろうか。まぁ僕の心に響くものは何もないけれど、ただ分かったことがある。
いままで虐待だと思ってなかった
遠方の大学に入ってから時々言われていた言葉に「一生懸命育てたのに、なんも恩を感じないのか」というのがある。
本人は一生懸命育ててやったのだから老後の面倒を見るのは当然。老人ホームに入るのは絶対いやだ。みたいなことをよく言っていた。
子どもに対して悪いことをしたとは全然思って無かったんだね。
虐待の種類
僕が体験したような、本気でしつけと勘違いしている虐待の他にも
- 虐待を認識しながら自己嫌悪に陥る親のケース、
- 楽しくLINEで「今日はどんな虐待をしようか」なんてウキウキしている親
- 性的虐待をする人
などなど、虐待にも色々種類がある。
それらの虐待事例を上手くまとめたマンガがある。たった3巻だけど分厚くて読み応えのある本だ。
この中で「虐待の連鎖」についても書かれており、僕の母も虐待の被害者だったことから、僕ら兄弟が虐待されるのは仕方ないことだったのかもしれない。