東洋医学の魅力。カッコ良すぎる病名と的確な変化名
画数の多い漢字ってカッコイイ!!書道家の書く漢字アートにはシビれますよね✨
外国人が入れている漢字タトゥーを見ると、漢字のカッコよさは世界共通だと認識させられます♪
ときどき誤訳からとんでもないことになってしまうこともあって「COOL→冷蔵庫」「GIFT→御歳暮」というタトゥーを入れた人の画像を見てウケてました(笑)
意味さえ分からなければ力強く見えるところもポイント高いですね。
さて、東洋医学にある魅力のひとつとして症状を漢字で書くことにあります。
しかも状態の変化に適切な表現をしているところがなおさらCOOLなんですよ✨
イライラの度合いで変化する証(病名)
怒りとか行動力とかを表すことの多い「肝の気」。とりわけその変化と体の中で起きている状態は他の症状よりダイナミックで面白いです。
肝気鬱結(かんきうっけつ)
「肝気:怒り」を「鬱結:溜め込んでいる」という状態を表しています。
つまり、イラッとしてるけどガマンしている。本当に小さなイラッとすることで大したことは無いかもしれませんが、ここから徐々にボルテージが上がってきます。
肝鬱化火(かんうつかか)
溜め込んだ心のモヤモヤから煙が上がってきた状態です。
化火なので熱くなって火はついてしまっていますが、肝鬱が変化したばかりで、まだくすぶっている程度です。
できればここで鎮火しておきたいところですね。
肝火上炎(かんかじょうえん)
ついにくすぶっていた怒りが爆発してしまいました。もう止められません。
フルパワーの怒り!!
この状態までを「実証(じっしょう)」といって有り余るエネルギーをまき散らして攻撃に向かいます。
もはや誰も手を付けられず周りの人もオロオロしちゃいます。
さて、ここからが東洋医学の面白いところ。今度は「実から虚」への転化を始めます。
「虚証(きょしょう)」とは必要なものが足りないことからくる病状のことを指します。
さて、怒りがピークに達しているところから何が足りなくなると思いますか?
陰虚証(いんきょしょう)
東洋医学では体内の状態を正常なものにするために「気・血・水」が全身を巡っていると考えています。
では、肝火が燃え続けるとどうなるか。
「水」が蒸発して体内から消えてゆくと考えました。
そして水は陰の性質を持つため「水不足=陰虚証」となります。
そうすると「肝陽上亢(かんようじょうこう)」という「水不足で燃え続ける」状態に移ることもあります。
その他の現象:風が吹く
山火事とか大規模な火災がおきたときも自然現象のひとつとして風が吹くのですが、肝火でも体内で風が起こります。
そんな感じで体内でも肝気の炎で風が吹くと「肝風内動(かんぷうないどう)」という証に変化します。
ドカーン!と怒ったあと、イライラでじっとしていられないとか、やり場のない気持ちとか、自分でも制御できない気持ちになるあたりがこのへんです。
「風の特徴は動き回る」ということで、一か所に痛みや不調部分が出るのではなく、体のあちこちが不調になります。
東洋医学で自分の状態を知ると面白い
ストレスの多くは人間関係と言いますが、怒りや悲しみにとらわれてしまうと病状はどんどん深刻に変化してゆきます。
けれど、ここで自分の状態が東洋医学では何と呼ぶのか、そしてこの後どんな風に変化してゆくのかを知ることができたら面白くなってきますし、同時に怒りも収まるでしょう。
東洋医学好きの治療家は、こうした変化に適切なツボを選んで針やお灸や指圧をしてくれます。せっかく治療を受けるなら雑談がてら「いま自分の体がどういう状態にあるのか」「鍼灸施術で使うツボはどのように決めているのか」という話をしてみると面白い返事をもらえるかもしれませんよ。