法律守ると怪しくなる鍼灸治療院の広告
年末は大掃除に年賀状や帳簿づけ等てんやわんやの忙しさだけど、それでも一年の節目!せっかくだから治療院の広告を新しく作り変えたくなるよね。
広告を作るにあたり「明るい雰囲気」「得意な施術や治療法」もしくは「ダイエットおよび美容針に特化したセレブ美女ご用達ビューティー鍼灸院」などなど治療院の方向性をはっきりさせた内容を盛り込みたくなる。
そして、僕が広告をつくるなら「誠実な鍼灸師」という安心感を印象づけたい。
では「誠実」とは何だろうか。最低限「法律を守る」というのは絶対だよね。輝かしい実績、難しい知識をてんこもりにしても、法律を破った広告というだけで誠実さにミソがつく。
そこで「法律を守った鍼灸院の広告」とはどういうものか、特に今年は改正医療法によって広告のあり方も変わったので「最新情報にも明るい」ということをさりげなくアピールしつつ、広告規制の要点についてまとめた。
参考にしたのは札幌市保健所医療政策課医務係が作った施術所広告のしおり。
これだけ把握しておけば誠実な治療院の広告が分かる!
- 腰痛治療が得意とか美容針やってますとか書かない。治療風景の写真もない
- 不明瞭な料金、ウェブサイトの有無も分からない
- キャンペーン、割引告知の宣伝も許されない
- 広告規制を完全に守ってしまうと、広告を作る意味がなくなる
- 追記:鍼灸はホームページ広告規制の対象外(H29年12月27日)
腰痛治療が得意とか美容針やってますとか書かない。治療風景の写真もない
腰痛で訪れた鍼灸院、そこで行われていたのはセレブ美女だらけの「美容針とダイエット専門」の鍼灸院だった・・・
ドッキリ企画に近いものがあるよね(笑)
腰が痛くて治療院に入ってみたらエステ風の内装に美女やマダムばかり。もし僕みたいなブサ男が場違いに混ざったら、あまりの恥ずかしさに腰痛を忘れて逃げ帰る。
治療効果はバツグンだ(涙)
施術内容の要点
- 腰痛・肩こり・神経症など、治療内容について書けない
- 美容針・ダイエットなど美容系の鍼灸院であることも書けない
- 経歴も肩書も書けないので、施術する人の技術レベルが分からない
不明瞭な料金、ウェブサイトの有無も分からない
規制を守った鍼灸治療院の広告は、ぼったくりバーのように見える。料金の表示は無く、ウェブサイトの有無も分からずQRコードも掲載していないので、検索して飛んだ先が広告と同名なだけの別の治療院だったという可能性まであったりする。電話で問い合わせすれば済む話だけど「お気軽にお問合せください」とか「ご相談ください」も書いていないので
「予約以外の電話をかけてくるな!」
という新進気鋭のIT起業家を鍼灸師にしたようなタイプの治療家だった場合、ムダに怒られるんじゃないかとドキドキだ。
掲載できる情報の要点
- 料金掲載は認められない
- ウェブサイト・QRコードの掲載ができないので検索で不自由する
- 「ご相談ください」 は書けないので、予約電話以外の電話にイラだつ鍼灸師だったらヤバい
キャンペーン、割引告知の宣伝も許されない
広告に値段を書けないということにリンクするのだけど、割引とかキャンペーンも書けない。なので広告をパッと見しても引っかかるワードが存在せず、ゴミ箱へ直行だ。
逆に、広告はしてないけれど入ってみたら「新規オープン割引キャンペーン」を開催していたとか嬉しいドッキリがあるかもしれない。ちなみに「おかげさまで10周年」みたいな、挨拶・お礼系の文言やキャッチコピーも掲載できない。
広告規制を完全に守ってしまうと、広告を作る意味がなくなる
一人でも多くの人に治療院を知ってもらいたい、施術を受けてほしい。そんな思いを広告に載せようと思っても、かなりハードルが高い。しかも規制を破ったら罰金最大30万円。国家資格のツライとこだね(涙)
ちなみに改正医療法ではウェブサイトも広告として規制がかかるので、大量に記事を書いてきたブロガーは年末年始の休暇を全て過去記事チェックにあてよう。そうでないと通報されちゃうぞ☆彡(※追記あり)
追記:鍼灸はホームページ広告規制の対象外(H29年12月27日)
上記ホームページも一部広告規制の対象となる件の根拠として厚生労働省制作の医療に関する広告規制の見直しから『医療機関のホームページを医療法上の「広告」に含めて規制の対象とすること』を根拠に記事を書きました。
その中で「医療機関」とは『医療法で定められた医療提供施設のこと(出典:wiki)』と書かれており、医療提供施設に『あんま・はり・きゅうの施術業』とあるので、ホームページの広告規制は鍼灸師にも適用するものと考えておりました。
しかし同業である鍼灸師の先生から、広告規制の目的は美容外科を対象にしているので私ども鍼灸師は対象ではない。と教えていただきました。