鍼灸院くらさろ跡地

次がんばるぞー


ほんわか系鍼灸エッセイ「ようこそ菜の花治療院へ」の千穂子先生

僕が昔お世話になった小樽にある菜の花治療院は、ものっすごく賑やかで見知らぬ患者さん同士でも盛り上がって騒げる宴会っぽい雰囲気のある治療院だ。その治療院の院長先生が書いた本「ようこそ菜の花治療院へ」は、話があちこちに飛んだり戻ったりで散らかっているのに何故か読み易い。

どことなくモーツァルトの音楽をエッセイにした感じの文章だ。

 


ようこそ菜の花治療院へ 出会いの日々
【アマゾンで探す】【楽天で探す】

 

学生時代の千穂子先生

 僕と千穂子先生は鍼灸学校の同級生で3年間を共に学んでおり、入学当初から千穂子先生は「私は体を触ればどのツボが悪いのか分かるんです」と言っていた。それで同級生に治療をしていたのだけど、治療技術についてそれほど多くの支持を得ていたわけではなかった。とりわけ千穂子先生の治療はとても痛かったので「アザを作ったりケガをさせるんじゃないか」と言って良く思わない人もいた。特に目の周辺にあるツボを押されたら痛みとともに吐き気がするほどだったし。

もちろん凡人である僕も学生時代はよく分からなかった。なにより学校に来ている生徒のほとんどは健康だったこともあり、治すべき深刻な病気にかかっていないのに治療されても良く分からないよね。

 

菜の花治療院で能力を発揮した千穂子先生 

学生時代は理解できなかったことだけど菜の花治療院に入ると千穂子先生の治療を待っている患者さんがいて、僕も先生の治療技術を認めるしかなかった。なにせ治るから来ているのであって患者さんそれぞれが「楽になった」「動けるようになった」と感謝しているのだから。

一方の僕は整体を習っていたので一通り普通の施術はできたけれど、これといって特別な何かを持っているわけではなかった。だから患者さんから「前菜のような治療」と言われたこともある。僕は素直に「上手い表現だな」と思った。なにせ実力差があるのだからそう言われても仕方ない。 

 

本に書かれている教科書には無い経絡

「ようこそ菜の花治療院へ」の本では東洋医学や経絡経穴(ツボと気の流れ)についての記述もあるのだけど、このあたりは教科書で学んだことと若干違うように書かれていある。千穂子先生の指先が得た情報で書いているのだから当然で、だからこそ本には価値があるのだけど、とにかく治療技術に関してはとても難しく書いてある。 

このあたりは東洋医学好きならワクワクして読めるだろうし、そうでない人なら別に読み飛ばしてかまわない部分なのだけど、とりあえず研究熱心だな!ということは伝わると思う。70歳を過ぎていまだに進化しているのは心底感心する。大抵は日々の業務に追われて勉強を怠るものだけど、学校を卒業して10年以上も日々研鑽されていたことを知ると、僕も千穂子先生には負けず勉強をしなければと改めて思わされた。

 

www.cloudsalon.net